認証機関の人々

 認証機関と呼ばれる組織が、日本にいくつかあります。外国のものも日本のものもありますが、この認証機関と何らかのやり取りをしなくてはならない場合があります。今回は、私が過去に業務で関係したある二人について、少し書いてみようと思います。

 

1.どの口が言ってんだ?

 J◯◯という日本の認証機関に、業務上わりと重要な書類を送付したことがありました。

 

私:書類を送りましたが、届いていますか?

U氏:え?届いてないけど。

私:◯月◯日に発送してるんですが。

U氏:探してみます。後で電話します。

(1時間ほど経過

U氏:ありました!いや~事務所の引っ越しでドタバタしてて、

ゴミ書類の山に埋まっちゃってたよ!

私:あぁ、そうですか

 

(中略)

 

私:それで、私はあちらの会社とは機密保持契約を結んでいますので、J◯◯さんでのこの業務に関して問題はありません。

U氏:それはそうだけど、

 

機密保持契約なんて、

しょせん紙切れ一枚でしょ?

 

  J◯◯とのお仕事は速攻で断りました。重要な書類をゴミと一緒にされるわ、機密保持契約を紙切れ扱いされるわ、こんなところとマトモな仕事ができるわけないでしょう。そもそも、

どの口が言ってんだよ!

 毎日お仕事が楽しそうで羨ましい限りです。

 

 

2.アンタは一体何を

 認証機関で安全規格や技術基準の評価を行っている人間の中には、学生時代の専攻が理工系ではなかったり、全く異なる分野の業務経歴を持つ人もいます。そのこと自体は別に悪いことでは全くありませんが、もの作りの現場を経てきた人とそうでない人の違いは、実際に業務を行う上で、少なからず表に現れてくることもよくあります。

 

 かつて出会ったS氏は、後に聞いたところ文系出身だったそうですが、思うところあってか、社会人を対象とした「専門職大学院」で学ぶことにしたそうです。

 

長岡技術科学大学専門職大学院 技術経営研究科「システム安全専攻」

 

 この分野の専門職大学院は、恐らくここが日本で唯一か、とても少ないので、業界では有名なところです。S氏は社会人としてここで数年学び、無事修了しました。

 

  私がS氏を知ったのは、彼が専門職大学院へ入学するよりも前でした。その頃はごく普通にやり取りし、真面目に仕事をされる人という印象でしたが、しばらく音沙汰の無い期間を経て再びS氏から連絡が来た時、S氏は某認証機関の一員となっていました。そのこと自体にも驚いたのですが、本当の驚きはその後でした。

 

S氏:これの確認をお願いします。

私:確認しましたけど、これ、事実と全然違いますよね。

S氏:でも(見た目では分からないので)大丈夫です、お願いします。

私:いやいや何言ってるんですか、こんなの虚偽記載じゃないですか。

S氏:もうお客さんと約束しちゃったんで、困ります。

私:困りますって、こちらも困りますよ。何を言ってるんですか。

S氏:時間が無いんです!

私:。無理です。サインできません。

 

 その後、こんなやり取りが数日間に渡り続きました。各々の上司の対応を含め、詳細はここにはとても書けません。

アンタは一体、

長岡で何を学んだんだよ??

 

  長岡技術科学大学の課程に問題があるとは思えません。まず個人の問題か、個人をとりまく環境の問題だろうと思われますが、修了生がこういう状態になっていると関係の方々が知れば、残念に思われるでしょう。


 J◯◯や、S氏が所属する認証機関のホームページなんか見ると、いまなおなんとも言えない気持ち悪さを覚えます。とても残念ですが。