Made in Chinaの話(1)

 数年前のことですが、パシフィコ横浜という展示場で開催されていた「楽器フェア」というのに行きました。

 

 中学の吹奏楽部に始まり、社会人になってもアマチュアオーケストラでトロンボーンを吹いていた私は、楽器フェアに行った時点ではもう楽器の演奏はしておらず、しかしまた始めるなら新しい楽器を買いたいもんだななんて思いながら、自分のマウスピース(吹き口)を持参しました。

 

 以下の4つを、試奏してみました。

1.Vincent Bach(米国)製トロンボーン

2.ヤマハ製トロンボーン

3.中国の会社製トロンボーン

4.中国の会社製しんちゅう管

 

 1.は私が長年愛用してきた楽器と同じ、アメリカのメジャーなメーカーのもので、価格帯も同じくらいのもの。数年間のブランクのために、そう思うように吹きまくれはしないのはともかくとして、吹奏感は似ており、いい感じ。

 2.は世界のヤマハ製。価格帯は同じくらいのもので、吹奏感も1.とほぼ変わらず、やっぱし日本製はいいなぁ、もし買うならコレもいいなぁ、と。

 3.は中国のメーカー(社名は忘れた)。製造工場も中国にあるが、日本人の技術者が製造技術を指導しているというのが売り文句。価格は上記1.や2.の半額を下回るくらい。高音の抜けが若干良くない感じだったが、ブラームスの交響曲なんてやらないであろう中学生や高校生には十分に使えるレベルなんじゃないかと(プロの演奏家でもないのにエラそうにすみません)。

 4.も中国のメーカー(社名は忘れた)だが、手に持った途端、これまで経験したことのない感触。楽器が、グラグラ。構えて、グニャグニャ。息を入れて、へニャヘニャ。これはトロンボーンの形をしただけの、ただの真鍮(しんちゅう)管。それに3万円くらいの価格をつけた勇気に脱帽。

 

 Made in Chinaといっても、いろんなレベルのものがあるなぁと身を持って体感したわけですが、恐ろしいことに、電気製品にも同じようなことがあるんですよね。(次回に続く)