モヤモヤ

 特に電安法についてですが、お客様から「モヤモヤ」という言葉をよく聞きます。

 

J◯◯と経産局に問い合わせたけど、

モヤモヤした回答ばかりでよく分かりませんでした。

 

という感じです。登録検査機関や経産局の回答がモヤモヤする理由は、「顧客に対するアドバイス」が禁じられているからです。これはこのホームページの他の部分にも書いていることですが、もう少しだけ言葉を足すと、こうも言えるでしょう。

 

正攻法しか説明しないから

 

 そもそも電安法がドロドログチャグチャなので、規則通りの正攻法自体が極めて分かりにくいものです。その上で、登録検査機関や経産局は正攻法の話しかしません。しかし、どの事業者様も個別の事情などがあるわけで、必ずしも正攻法がベストであるとは限らないわけです。正攻法以外が違法だというわけではまったくないのですが、特に登録検査機関にとっては、そういった各事業者の事情を汲んでベストな方法を示すことは「アドバイス」になってしまうのでしょう。なので、「アドバイス」に該当しないような基本的な規則の説明しかできないんですね。

 

 登録検査機関や経産局は、不特定多数の事業者様に対して、「電安法セミナー」といったものを時々開催しているようです。ちょっと前にあった経産局のセミナーは、その資料がネット上に転がっていたので見ましたが、想像通り、ややこしい電安法の正攻法的な説明に終始したものでした。初めて電安法に足を踏み入れる事業者様にとっては役立つ情報はあるでしょうけども、自社の製品には無関係な話まで聞かされることになりますね。また、昭和30年代から続く、現在ではほぼ意味のない、なおかつ律儀に守る必要もないような謎の風習が残っていたりしますので、真面目な事業者様ほど無用に振り回されてしまうかもしれません。もし私が講師なら、そんな謎の風習については無視して構いませんという説明をするか、触れません。そんな謎の風習の説明に時間や手間をかけても、まったく無駄ですからね。

 

 私は、不特定多数の事業者様を集めての「電安法セミナー」は実施しません。その主な理由は、下記の通り。

・不特定多数の事業者様に共通するお話をするとなれば、広く浅いものになってしまうから

・そういう広く浅い情報を提供するセミナーは、登録検査機関や経産局が既にやっているから

・各事業者様にはそれぞれ諸々の事情があり、それを踏まえずして電安法業務は進められないから