中華電子負荷

 昨年中華電源を購入してから一年も経っていませんが、今度は中華電子負荷を購入しました。税込み約21,000円。DC150V, 40A, 400Wという仕様です。

 

 これまで使っていた電子負荷は、エンクロージャ(筐体)の無い、基板や部品が丸裸状態のもので、DC30V, 10A, 60Wという仕様。USBポートの出力電力測定には特に問題も無いのですが、丸裸のため何となく壊れやすいんじゃないかと気になっていたのと(運搬時は適当なケースに入れていますが)、より大きな負荷が必要な別の試験にも対応できるようにするため、新しく購入しました。

 

 購入にあたっては、中華電源の時と同様、日本のメーカーの中古品を探しました。しかし、やはり大きくて重いんですよね。そして、中古でもまあまあ高い…。そんな中、Amazonで見つけたのが上の写真の製品です。

 

○良い点

・小さい(40Aが吸い込める電子負荷としては、ものすごくコンパクトなサイズ)

・軽い(4.5kg。他の日本メーカーは軽くても7kg程度)

・安い(新品で税込み約21,000円。うーん、安いわ)

・通信ポートまで付いてる(私は使いませんが)

・見た目がキレイ(キズとか汚れとかは特に無い。梱包箱はどえらい状態だったけど)

・ちゃんと動作する(当たり前だけど、これも大事なこと)

・操作も簡単(基本的な操作は取扱説明書を見なくてもできる)

 

○アブナイ点

・付属の電源コードにPSEマーク無し(中華電源の時と同じ)

 PSEマークの無い電源コードの販売は電安法違反。

・交換ヒューズ、取扱説明書では0.5Aなのに0.25Aが入ってた(中華電源の時と同じ)

 指定より小さい定格電流のヒューズなので、まあ危険は無いだろうが、これは安全というより品質管理の問題。指定より大きいものが入っている可能性も否定できないと思えば、やっぱり危険か。

・電気定格の表示が無い

本体:電気定格の表示無し

取説:AC110V±10%とAC110V±5%の記載が混在。周波数は50Hzのみ

 ±10%とかいうのはあくまで公称電圧からの変動に対する許容範囲を示すものなので、公称電圧AC100Vの日本では、厳密に言えば使えない。なお、我が家のコンセントには実測でAC103VとかAC104Vくらいが来ており、実際には普通に動作する。

 なお周波数に注目すると、少なくとも西日本の60Hz地域では使えないということになるが、おそらくまあ普通に使えると思う。

・製品内部のアース線が細い

 製品内部のアース線(保護接続線)が細い。危険なほど細いとは言えないかもしれないが、それなりに太い電線&太いネジに交換してシャーシへの固定方法もより確実なものに変更。

・製品内部の電線、ハンダが不十分(中華電源の時と同じ)

 大電流が流れる電線のハンダ付け部分で、ハンダの量がちょっと少なそうだったので修正

・製品内部の細い電線が、高温部に接触

 製品内部の細い電線が、いかにも高温になりそうな部品に接触しまくる状態だったので、適当にケーブルタイでくくって触れないように修正。

・金属製エンクロージャの内側の塗装

 安全のために本来は塗装すべきでない部分までキレイに塗装されていたので、ヤスリで削って修正。

・感電の危険あり!!

 右の写真にて赤丸で囲った部分(ヒートシンク)と、赤い矢印で示したネジ4本、これらはユーザーが指で触れられる部分だが、これが機器の前面にある負荷入力端子の+側と繋がっている!つまり、例えばDC150Vといった危険な電圧を負荷として入力した時、それらの部分に触れると感電!!

 私の用途では、危険電圧を入力する予定は基本的に無いんでとりあえずまあいいとしても、なんでまたそんな意味不明な構造にしたのか。設計から製造に至る途中で、誰かどこかで気が付かないもんなのか。恐るべし中華クオリティ……

 

○その他

 ガタガタボロボロの丸端子の変更、明らかに寸法が合ってないワッシャーの変更、大事な端子に緩み止めを追加、謎の六角ボルトを普通のナベネジに変更(いつかまたカバーを開ける時の作業性向上のため)、謎の方法で接続されていた電線の修正などなど…。


 エンクロージャを固定するネジの一つが、右の写真のように"QC PASS"というシールで隠されていました。このシールを破ると、つまりエンクロージャを開けると、保証が効かなくなりますよってなヤツです。届いてから一度も動作させることなく保証を捨てるのというもどうかと多少迷いましたが、やはり自分を信じて良かったと思います。危険な部分を知らないまま使い続けるよりはまだマシかと……。

 

 というわけで案の定、中華品はやっぱりアレだな…というのが正直な感想ですが、価格相応ではあるでしょうし、やはり安い!小さい!軽い!ってのは少なくとも私にとってはメリットでした。中華製品の購入を検討されている方は、どうぞ参考になさってください。