ありそうなお話

 電安法でありそうなお話。

(A社:日本の輸入事業者、B社:日本の輸入事業者、M社:外国にある製造メーカー)

 

A社:商品開発した!M社さん製造お願い!

M社:PSEの適合確認にかかる100万円は、A社さん払って。

A社:OK。M社に100万円払ってテストレポートをゲットした!経産局に届出して、Aブランドで輸入販売開始!!

 

(しばらく経過)

 

M社:B社さん、(Aブランドの形をちょっと変えた)うちの商品、日本で売らない?日本での販売実績はあるし、PSEの適合確認は済んでるよ。テストレポートは社名だけB社に変えてもらえばいいっしょ。

B社:お、いいねえ。Bブランドで販売するわ。

M社:テストレポート変更にかかる10万円は、B社さん払って。

B社:OK。M社に10万円払ってテストレポートをゲットした!経産局に届出して、Bブランドで輸入販売開始!!

 

(しばらく経過)

 

A社:あれ、このBブランドの商品、うちで開発したやつとソックリじゃね!?B社さんこれどういうこと?

B社:え?うちはM社の商品を輸入販売してるだけですよ。PSEもちゃんとやってますよ(言われて初めて気がついたけど、確かにソックリだな。でも形はちょっと違うし、M社の商品だし…)。

A社:M社さんこれどういうこと?なんでB社に売ってるの?

M社:え?うちの商品をB社が欲しいって言うから販売してるだけですよ。

A社:はぁーーー???

 

 これ、特許とか意匠登録とかの話はここではおいときますが、

少なくとも電安法の手続き的には問題無し!

(ちなみにここでは「特定電気用品以外の電気用品」を想定していますが、「特定電気用品」の場合はテストレポートだけでなく適合証明書の「副本」も絡んできます。)

 

 ここでもっとも割を食ったのはA社ですね。

 A社さんは、その商品が他社には売られないように、M社と専売契約を結ぶなどの対策が必要でしょう。B社みたいな輸入事業者が更に出てきたら大変ですし。

 B社さんは、M社に対して日本の他社に販売してないかどうか、最初に確認しておくべきでしたね。でないと後でA社と揉めますんで。

 M社さんはまあ、日本から何を言ってもどうにもならないですかね。トンヅラせずにA社からの問い合わせに回答してるだけまだマシかも(?)。この後、B社のみならずC社やD社にも売り込んでいく可能性もありますね。

 

 なお、このお話の論点からは少し離れますが、PSEの適合確認を実施した検査会社が怪しいところで、極めて内容がテキトーなスカスカテストレポートだったりすることが多いとかなんとか…。